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大田区民にとって新空港線蒲蒲線は必要ですか?

新空港線蒲蒲線はどうなる?
 平成25年(2014年)8月大田区は新空港線「蒲蒲線」整備調査の取りまとめを公表しました。その中で事業費約1080億円、事業採算性の試算結果では受益相当額年26億円、黒字転換は24年となっています。そして、副都心線方面から直通列車を東急多摩川線経由して東急蒲田地下駅まで運行可能とし、京急空港線を経由して羽田空港駅まで運行する計画でした。

しかし平成27年(2015年)大田区新空港線「蒲蒲線」整備促進区民協議会が開かれ事業概要が変更されました。まず、東急多摩川線を複線で京急蒲田駅まで延伸し、東急蒲田地下駅で乗り換えることなく京急蒲田地下駅までとしています。そこまでを第1弾として進めるとしています。京急蒲田地下駅から大鳥居駅まではフリーゲージトレインを採用するとしています。現在日本国内でフリーゲージトレインは開発段階で実用化されていません。試験段階で部品の不具合が見つかり試験再開のめどが立っていません。

 区は国が新空港線「蒲蒲線」を高く評価していると、チラシ等で宣伝していますが区の一方的な解釈であり、「東京圏における今後の都市鉄道の在り方小委員会」に置いても、国土交通省は優先順位をつけていません。また、区が声高に言っている「利便性の向上について」は、東急多摩川線各駅は3両分のホームしかなく通過することになり、利用できません。踏み切りの閉まる時間は長くなり交通渋滞は免れず、地元町会からは「新空港線は地下化してほしい」の要望さえ上がっています。国土交通省が出している「鉄道需要分析手法に関するテクニカルレポート」(2016年7月15日)においても、国内線、国際線利用の交通量推計にあたっては「大田区からの羽田アクセスサンプルは推定から除く、サービスレベルの設定が困難な地域である。」としています。

 総事業費についてですが、国は東急矢口渡駅先から大鳥居駅まで4キロを1800億円(区の発表は1080億円)、東急矢口渡駅先から京急蒲田駅地下まで1・7キロを1300億円として本年7月に発表しています。区に確認すると、「それは国が出したものである。区としては今後検討する」と答弁しています。国が勝手に試算するとは驚きです。総事業費の3分の1は自治体負担、具体的には東京都と大田区が負担することになります。しかし東京都は昨年7月公表した「広域ネットワーク計画についての検討のまとめ」な中で新空港線は優先路線に入らないという消極的な姿勢ですので大田区の負担分が増える心配さえあります。いったいいくらかかるのかわからない計画を「区民の悲願である」と進めているのです。そして区は「新空港線整備資金積立基金」を2016年度予算で約5億円、さらに9月に補正予算として5億円、合計30億円も積み立てています。

日本共産党大田区議団は第3回定例議会、決算特別委員会款別質問で福井議員が、そして代表質問、決算に反対する討論でも、新空港線計画は区財政を圧迫し区民サービス低下を招くことが明らかであることから、計画を撤回することをもとめていますが、区は引き続き進めるとしています。

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