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日本共産党区議団は2018年度決算に反対しました。

日本共産党区議団は2018年度決算に反対しました。以下、反対の理由です。

少し長いですが、ぜひお読みください。

 一般会計歳入歳出決算では、歳入総額は2,829億9227万円、歳出総額は2,769億5,689万円、歳入歳出差引額は60億3,537万円となり、歳入歳出差引額から繰越金を引いた実質収支額は、46億1,999万円となりました。

 今決算には、認可保育所の整備(24施設)等で1000人の定員拡充、保育士人材確保支援事業の継続、特別養護老人ホームの整備(西糀谷75床、ショートステイ9床)、認知症高齢者グループホームの整備費補助(3か所)、障がい者サポートセンター増設(重症心身障がい児・者の短期入所)等、区民の声や党区議団の要望が実現したものもあり評価しますが。

 今決算の認定に反対の理由の第一は、5年前の消費税8%の影響で、区民のくらしや営業が大変ななか、公共施設の使用料をはじめ相次ぐ値上げで区民への負担増を押し付けたことです。

 前年度に、受益者負担や負担の公平を理由に、4月から施設使用料、小中学校給食費、学童保育料の値上げ、9月から保育園保育料の値上げ、今決算年度で臨海斎場火葬料の値上げを行いました。

また、国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険保険料は全て値上げした年度でもありました。
そもそも公の施設は、「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」(地方自治法244条第1項)と規定されており、住民生活に不可欠な施設は地方自治体が設置しなければならない義務となっており、「住民は、法律の定めるところにより、その属する普通公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し」(地方自治法10条2項)していることが明記され、地方自治体の設置する施設を、住民がだれでも平等に利用することができることが定められています。

 さらに、公の施設は地方自治法223条によって区民税が徴収されており、地方自治法225条の使用料を徴収できるに基づき、公の施設に、受益者負担や負担の公平を理由にすることは、本来福祉の増進を図る自治体の役割からして理由にしてはいけません。

反対の第二に、不要不急の大規模開発を推進していることです。

 予算編成の方針でも、「羽田空港跡地や新空港線整備については、今後の取組の加速化に向けて、大きな転機を迎えている。」と述べていました。
今決算では、国家戦略特区の名のもとに、“空港跡地第一ゾーン5.9ヘクタールを、第一次補正予算により165億円で土地を購入し、鹿島建設をはじめ出資企業9社による「羽田みらい開発株式会社」に平米600円で50年間の借地契約を行いました。それは、4000億円以上の莫大な利益を大企業が得ることに区が手を貸すことになっていることです。また、当初12万5400平米の総床面積が、何時の間にか5600平米増え13万1000平米に変更されて、更に利益を増やすことになりました。

 そもそも国家戦略特区は、“世界で一番ビジネスをしやすい環境”を作ることを目的に、地域や分野を限定することで、大胆な規制・制度の緩和や税制面の優遇を行う規制改革制度で、区内中小企業の支援にはなりません。

 また、羽田空港跡地における水辺活用に係る社会実験事業がはじまりますが、第一・第2ゾーンの水辺整備ソラムナード羽田緑地に1億3千万円で整備しましたが、その前にできる住友不動産、東京国際空港プロジェクトチームがつくるホテル3棟1704室のための整備と言わざるを得ません。

 さらに、新空港線整備資金積立基金積立金は、当初10億円、第4次補正で更に10億円と合計20億積立となり、決算年度で60億円となりました。

区は、「東京都との協議は佳境に入っている」「あと一歩のところに来ている」と、しっかりとした準備室を設置して進めていくと説明していますが、3年連続で整備主体の設立予算1億8000万円が計上さていますが、設立できていないこと。それに合わせて整備促進区民協議会が3年連続で開催できていないこと。2016年4月20日の国土交通省交通政策審議会第198号答申に盛り込まれただけで区が勝手に「高い評価」と判断していること。東急多摩川線のほとんどの駅に電車が停まらなくなる可能性があり、地域の活性化に繋がらなくなること。災害発生時に迂回ルートとしての機能を担うとしていますが、発災時は直通運転が止まる可能性があり、その役割を果たせなくなること。などの問題点から、その実現はほぼ不可能に近い状態です。

 また、東急の高橋社長が「蒲蒲線は大田区と同じ思い、我々の悲願です」と会見で述べたように、東急の悲願であり、東急のための計画で、区民の望む計画でない事は明らかです。さらに、現在東急職員が区に行政実務研修員として、第3セクター設置に向けて事業を進めています。と今決算特別委員会で答弁された様に、東急と一体の事業となっていることは明白です。

第三に、いっそうの民営化と非正規職員の配置や臨時職員を活用していることです。

 区立保育園の45カ所民間委託(拠点園として出張所所管内18カ所区立として残す構想)、児童館や学童保育の民間委託、図書館や障害者施設の指定管理者制度など、経費削減とサービス向上を理由に進めてきました。

民間委託や指定管理の職員は、不安定・低賃金の非正規労働者で、自治体自ら官製ワーキングプアをつくり出しています。また、非常勤職員の採用を強めています。  

 さらに、決算年度では、羽田地区公共施設の整備がすすめられ竣工・開設されました。1丁目プロジェクトでは、出張所、文化センター、高齢者利用施設、中高生の居場所の複合施設が、4丁目プロジェクトでは、保育園、適応指導教室、文化センター体育館の複合施設が出来ました。

 複合施設について党区議団は、かねてから指摘してきましたが、公共施設適正配置方針では、今後45年間で延床面積を1割程度削減する計画なっています。複合化により規模が大きくなり、工期が長くなり地元業者が参入できない等管理上・区内系経済振興上の問題、身近な公共施設がなくなってしまう防災上の問題、移転した跡地が明らかにされない等様々な問題がありますので。施設の複合化には反対します。

その結果積立基金現在高は、前年度1329億円から羽田空港対策積立基金から165憶円取り崩したものの140億円減の1189億円余となりました。

 今決算の結果からも、公共施設使用料を4年毎に見直す計画ですが、この様な公共施設の値上げ等、これ以上の区民への負担増を止めて、大規模開発を中止し、区民のくらしや福祉、子育て、教育、産業支援への転換を求めます。

子育てでは3カ年実施計画では、今年度末で待機児ゼロの計画になっていますので、区民への公約であり実現を求めておきます。

 次に、新年度予算や新基本計画について要望します。
現在再来年に向けて新基本計画の策定に取り組んでいますが、委託先が有限責任監査法人はトーマツとなっていますが丸投げすることなく、広く区民意見を入れていくため、新基本計画策定懇談会の区民や障害者枠を増やすべきです。

 また、大田区保育従事者宿舎借り上げ支援事業がありますが、保育従事職員に宿舎1戸あたり月額82000円補助で大変喜ばれています。区も重要な施策に掲げており、保育の質の確保にもつながります。補助率が国2分の1、都が4分の1、区が8分の1、法人8分の1となっています。東京都が来年度補助金廃止の方向を出していると聞いていますが、都に廃止しないよう求めるとともに、廃止した場合でも都の分を区が補填し継続するよう求めます。

 次に、公契約条例、手話基本条例の制定についてです。

公契約条例では、新宿区が9番目の制定となりました。また、手話基本条例の制定では、手話言語条例の制定状況は、23区では、7区が制定しています。
大田区でも、公契約条例、手話言語基本条例を制定するため、先ず検討会設置を求めます。
 
 次に、生活保護のケースワーカー職員の増員についてです。
 ケースワーカー職員の定数は、以前は法定数から標準数(目安)となりましたが、社会福祉法16条で、職員1人当たり80世帯が国の基準となっています。
大田区は、現業員が担当する世帯数は平均で89世帯となっており、配置すべき職員の標準数より、合計16人不足しています。勤続年数も平均3年間となっていますので、経験を積んだ職員が対応し、職員1人当たり80世帯が国の基準を守って職員の増員を求めます。

 次に、羽田空港跡地第一ゾーン(第一期事業)における区施策活用スペースについてです。
区施策活用スペースの入居事業者公募がはじまりました。
設置目的でも、「区内外における区内産業との親和性の高い企業を誘致する。」と述べていますので、区内中小企業の仕事づくりを目的としていることを公募に入れ、毎年実績検証の体制をつくることを求めます。

 また、現在、区内中小企業全ての製造事業所に対して「ものづくり産業等実態調査」を行っていますが、5年前の調査に基づき、現状の調査・分析を行い課題について明らかにしていくとのことですが。結果を受けて中小企業基本法に基づき今緊急に求められることを整理し予算化すること。具体的に、現在約3000社を切っています。後継者支援、工場家賃助成、従業員の給与、社会保険料の事業者負担、固定資産税への支援をする事を求めます。

次に、羽田空港機能強化についてです。
 8月8日、国土交通省は、国際競争力強化や訪日外国人旅行客の受け入れ拡大などを口実に、羽田空港を発着する航空機が都心上空を低空飛行する新たな飛行ルートを決定し、「2020年3月29日より新飛行経路の運航を開始し、羽田空港において国際線を年間約3.9万回増便する」ことを公表しました。
国は増便の影響により、新たに発生する危険・騒音・落下物の増大、環境悪化など対策を打ち出しましたが、区民にとって事故を起こさない安全対策が求められますが、最大の対策は増便しないことです。住民の安心安全、くらしを守る地方自治体としての役割を発揮し、新飛行ルート案を含む機能強化を名目にした増便計画の撤回を求めるべきです。

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森 峰太郎

 大田区予算に反対する日本共産党大田区議団と清水区議の見解を拝見しました。
 大田区はもっと、中小企業や福祉・教育にお金を使うべきです。

 大田区はICT教育のために多額のお金を使っています。すべての小中学校の教室に電子黒板が入りました。先生方には十分使いこなすための研修の機会や、ソフトを入れたベネッセのサポーターは週に1回程度しか来ません。学校にいる大人は確かに増えました。スクールカウンセラーは大田区と東京都と来ています。アシスタントラーニングティーチャー(ALT),介添員、専門員、支援員、副校長補佐、事務パート、非常勤栄養士、用務と給食は民間委託です。

 小泉純一郎がすすめた、非正規雇用が教育の場でも進んできています。同一労働、同一賃金。憲法に認められている労働基本権の具体化が求められています。
 公立学校に変形労働時間制を導入する法案が、閣議決定され国会に上程されました。とんでもないことです。
 日本共産党大田区議団のご検討を心から応援します。
by 森 峰太郎 (2019-11-08 23:50) 

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