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決算特別委員会のしめくくり質問を行いました

10月6日第3回定例議会 決算特別委員会のしめくくり質問を行いました。
コロナ禍に区は3年間で580億円が必要と「事務事業の見直し」を進めていますが、何を大事にしているのかが問われています。福祉の予算が削減されようとしています。

以下、少々長いですがお読みください。区の答弁については後日報告します。


2020年10月6日決算特別員会しめくくり質問
            日本共産党区議団   清水菊美

議員必携には、決算審査におけるしめくくりで重要なのは、行政本来の目的である高い行政サービスの提供に努め、行政水準の確保と維持とその向上を目指した意欲と積極性に満ちた財政運営であったのか、また、「金をいくら使ったか」ではなく「住民の為にどのような仕事をしたか、その仕事の出来高と出来具合を見ることが主眼であることを十分理解した決算審査でありたい、と、書かれています。

まず、2019年度の不用額と、今年度途中の全事務事業等の見直しについてです。2019年度は、台風15,19号により避難所問題など区の防災対策を大きく見直すことが求められました。さらに、10月からの消費税増税は、区民の負担増と、殊に区内製造業、小売り、建設、運輸業等の経営の悪化が景況にあらわれました。
そして、年度末にはコロナ感染症の拡大と緊急事態宣言発令による外出自粛、全小中学校の休校で景況は急激に悪化し、区民は不安と混乱に巻き込まれました。

 このような年度において区民の暮らしはどうだったか。国民健康保険の保険料の値上げが強行され、滞納世態は3割を超え、差し押さえ752件、差し押さえる財産が無く執行停止が4026件、人頭税のような均等割り、高すぎる保険料が区民を苦しめています。福祉の向上である自治体の本来の仕事が行われたかが問われると思います。

 不用額については一般会計決算で117億8394万円、前年と比べ1・03%減でしたが、依然として高い水準で、結果 お金はあったのに積み立ててしまったことになります。

区は「決算全体を見れば不用額は減ってないが執行率は高かった」との答弁がありましたが、障害福祉費のグループホームの整備促進事業2000万円の予算は、執行率がゼロでした。親亡き後の施設の拡充は高齢化が進む障害者の親の切実な要望ですが、執行されませんでした。

指定保養施設事業は執行率55・12%、不用額674万6千円で、原因は、熱川ハイツに代わる施設の契約が遅れ、約9が月間3施設のみであったことと、3月コロナ感染による利用者の減によるものだとの答弁でした。

 指定保養所は2012年度は9施設あったのが4施設に、2016年度までは年6泊利用できたのを2泊にと事業を縮小してきました。利用者が減った、不用額がでた、と事業をどんどん縮小しようとしているのではないですか。より多くの区民に利用し喜んでもらうためには広報もつよめ、施設数を増やすことこそ必要です。不用額が出たら次年度の予算は事業を縮小し削っていくていくという象徴のように見えます。見直しを求めます。

 次に、今年度全事務事業見直しについて伺います。第6次補正にみられるように、この様な事務事業の見直しは、4月から半年もたたないのに年度途中で事業の予算を確定し、出た不用額を他の事業の財源として使っていくことになります。このことは、今後新たな財源を作る名目で区民に約束した事業を途中で放棄することになりかねません。

<質問1>そこで伺います。6次補正で減額した福祉費高齢福祉 要介護者紙おむつ支給事業300万円、入浴支給事業300万円の減額について理由をお答えください。

 要介護者紙おむつ等支給事業は現物支給、現金支給等選択の幅は広がりましたが、原則要介護3以上となりました。約12000人が対象ですが、そもそもの予算はその約6割程度です。

 入浴券支給は、要綱で保護世帯は3日に1度入浴するとし、そのうちの3か月分助成で1年に僅か30枚です。さらに7月1日申請で、以降に保護を受けた区民が風呂の無い住宅にいても1枚も支給されないもので改善こそが求められています。約19億円の減額のうち夫々僅か300万円の減額ですが、立てた予算を執行する努力をやめてしまった。大問題と思います。

<質問2>次に、都市整備費 大森駅周辺地区の整備898万7千円、地域拠点駅周辺のまちづくり1281万9千円についてどの事業なのか、減額にした理由をお答えください。

 平和島駅周辺歩行者環境改善の検討、池上駅周辺の交差点等の改善は区民の長年の要望でした。多くの議員もこの本会議場で質問してきました。ようやく動き出し、2020年の重点プログラムとなりました。予算に計上されて大いに評価を受け期待されていたのに、8月で委託を次年度に先送りにするというのは、区民との約束違反で理解は得られません。

 区長は「全事務事業をゼロベースで見直した。」とし、都市整備費新空港線整備主体の設立1億8千万円を減額しました。この見直しは大田区が今年度の新空港線整備主体の設立をあきらめたのだと誰もが考えます。しかし、区は9月3日に都と協議し大詰めを迎えていると言い、交渉事なので協議の内容は区民に説明できないとしています。何のための減額なのか矛盾しています。

 また、産業業経済費で、羽田空港跡地における産業交流拠点の形成の事業を8930万7千円減額しました。コロナの影響で海外とのやり取りが困難であるが理由です。

 さらに、区活用スペースにおいても未だ入居企業はゼロの理由が、コロナの影響で先の見通しが立たない企業が多いと説明しています。しかし、月2400万円の賃料を羽田みらい株式会社に払い、今年度だけで7月から9か月間で2億1600万円になります。これほど生産性の低いものはありません。此処にこそ見直しが必要ではないでしょうか。

<質問3>、事務事業の見直し、再構築の概要には見直しの「視点」「生産性の向上」は何を指しているのか、自治体のするべきことなのかご説明ください。

 企業は同じ時間でより多くの者を作ることを「生産性を向上する」と言います。自治体が「生産性の向上」という名のもとに、公共サービスの産業化、民営化、市場化、の推進は、自治体の変質をさらに進めることになり、住民サービスがさらに低下します。自治法第2条⑭、最小の経費で最大の効果を上げることは、地方公共団体はその事務を処理するに当たっては住民の福祉の増進に努めるとともに、とあります。「生産性の向上」とは相いれません。

 1478件の全事務事業の見直しは3年で580億円財源の不足を理由に進められていきます。イベント事業は第6次補正予算で減額されましたが、今後、補助金事業、窓口問い合わせ対応業務、申請受付・入力業務、過去10年間の間に開始した事業 を、見直しという名で削減、切り捨てが進められようとしています。

 既に来年度、精神障害者の家族支援の1庁舎24万円、4庁舎で96万円、の事業を廃止することが決まってしまったと聞いています。高齢化が進んでいる親たちの支えであったこの事業を、「お金がないと言う理由」で打ち切ってしまう、なんとも冷たい。これは氷山の1画、このような切り捨ては「地方公共団体はその事務を処理するに当たっては住民の福祉の増進に努める」に反しています。

 次にコロナ禍において医療機関への支援について伺います。
区長はおおた医療ブックの巻頭で「大田区はこれからも医療関係者の皆様と手を携えながら、区民の皆様の健康を守ってまいります」と挨拶をされています。今、コロナ感染症拡大が続き、大田区の感染者の状況は、陽性者は1200名を超えています。区内ではコロナ患者受け入れ7病院、また、3医師会によるPCR検査センター開設、関係者の皆さんに感謝してもしきれません。

 しかし、コロナ禍で病院を利用する患者が減り、経営が悪化するところが相次いでいるとの報道があります。日本病院会等医療3団体は8月6日今年4〜6月の全国の病院の経営状況を調査したところ6割以上が赤字に陥ったと発表しました。コロナ患者受け入れの病院は8割以上が赤字だったと早急に国に支援を求めています。

 病院の経営はもともと厳しく、人件費を削ることで乗り切ろうとする動きもあり、感染のリスクの高いストレスと重労働の中で働く医師、看護師、医療関係者が現場を離れているとのことです。経営の悪化と大量退職で医療崩壊寸前です。第3波が心配され、インフルエンザの流行も重なれば大変な事態になりかねません。

<質問4>、大田区内の医療機関のコロナ禍における実態を把握しているでしょうか。お答えください。

 区は都の医療機関特別給付金を、コロナ患者を受け入れている医療機関に支給し、さらに国、都による慰労金、感染防止等支援事業の申請をすすめています。しかし、多くの医療機関は医療貸付、福祉貸付、所謂融資を受けていると聞いています。200床規模の病院で3億から5億円多額の借金を背負い、返済の目途が厳しい状況、倒産・廃業の心配も出てきます。病院が減れば医療を受けられない区民が出かねません。

<質問5>、大田区として区内医療機関への支援策を求めます。お答えください。

 コロナ患者を受け入れていない医療機関も感染の危険にさららされながら発熱した区民の診療に当たってくれています。

大田区がん検診、特定健診、インフルエンザ接種などなどで協力している医療機関を支援することこそコロナ禍において区に求められているのではないでしょうか、国や都の動向を見ているだけでなく、自治体として医療を守る責任と義務があることを強く申し述べて質問を終わります。

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